売上より先に、1商品あたりの採算を。
「売れたのに、お金が残らない」を防ぐには、注文一件で何が残るかを先に見ます。ここでは原価・手数料・配送・広告・返品を同じ計算にそろえ、粗利と貢献利益を混同しない見方を整理します。
- 販売額から、注文に応じて発生する費用を順番に差し引く
- 広告前と広告後、固定費控除前と控除後を分ける
- 下の計算欄は仮の数字。自社の条件に置き換えて確認する
1|比較する売上と費用の範囲をそろえる
販売額は値引き後の商品代金と顧客から受け取る送料を対象にし、預り税は除きます。計算例では返品損失を別途差し引きます。既に返金を控除した売上を使う場合、その返金額を返品損失でも差し引かないようにします。
着地原価は、仕入と到着までに必要な輸送・保険・関税等の負担を、目的に合う単位でまとめます。回収可能な税額の扱いや費用の会計上の分類は、会計担当者・税務専門家とそろえてください。
[1]2|注文ごとの採算を、二段階で見る
販売額 − 着地原価 − 出荷・配送費 − 販売・決済手数料 − 返品等の損失 − その他の変動費
広告後の貢献利益
広告前の貢献利益 − その注文に配賦する広告費
ここでいう貢献利益は、固定費を負担する前に残る金額です。会計上の粗利・営業利益・手取り現金と同じものではありません。広告前の数字だけで、販売の継続可否を判断しないようにします。
3|仮の1注文で、何が残るかを確かめる
| 項目 | 仮の金額 |
|---|---|
| 販売額(預り税を除く) | $150 |
| 着地原価 | − $82 |
| 出荷・配送費 | − $14 |
| 販売・決済手数料 | − $18 |
| 返品・破損等の平均損失 | − $5 |
| 広告前の貢献利益 | $31 |
| 広告費 | − $12 |
| 広告後の貢献利益 | $19(約12.7%) |
すべて説明用の仮定です。月の固定費が$1,000で、同じ採算の注文だけなら、固定費を賄うには計算上53件必要です。送料・原価・広告費が合計$16増えると、残る額は$3になり、必要件数は334件になります。販売件数の予測ではなく、前提が変わった場合の感度を見る例です。
4|自社の条件で試す、採算チェック
初期値は上の仮例です。入力内容はこのブラウザ内だけで計算し、送信・保存しません。手数料率は便宜上、販売額全体に掛けています。実際の課金対象・固定手数料・税の扱いは販売先の明細で確認し、必要な費用を「その他変動費」に加えてください。
同じ採算の注文が続く前提です。固定費・追加利益の留保前に使える広告費は、広告前の貢献利益が上限となります。実際の利益・現金残高・販売件数を保証する計算ではありません。
5|返品・広告・在庫を楽観的にしすぎない
返品損失は、返品率だけでなく、返金、返送料、再発送、回収できる商品の価値、戻らない手数料を含めて見ます。返品が少ない初期段階ではゼロと決めつけず、複数の仮定を置きます。
広告前の貢献利益$31をすべて広告に使うと、固定費と利益を負担する余地はありません。また、広告画面上の売上は新たに増えた売上と同じとは限らないため、注文・返品・決済の記録と突き合わせます。
在庫を大量に仕入れる前に、売れ残り、保管、値下げ、入金までの期間も確認します。利益と資金繰りは別々に管理します。
6|週次で比べるときの見方
同じ期間・商品・チャネルで、販売件数、売上、広告後貢献利益、返品理由、欠品取消、配送遅延を並べます。返品の確定が遅れる場合は、見込み損失と確定損失を分けて更新します。
Sozuの越境EC支援では、このような商品別の採算と運用のつながりを整理します。具体的な手数料、税率、規約を一律に決めつけず、現在の条件と実データから確認します。
参考資料・確認日
2026年10月26日確認。公開資料の一般的な論点を参照し、手順・確認表・計算例は本サイト向けに整理しています。公的機関による当社の推奨・認証や、案件の成果を示すものではありません。
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